●私立大学等学術研究高度化事業・学術フロンティア推進事業とは
私立大学等学術研究高度化事業とは、我が国高等教育機関の大部分を占める私立大学等における研究基盤の整備及び研究機能の高度化を図るため、重点的かつ総合的な支援を行う為に文部科学省が創設したものです。このうち、優れた研究実績を上げ、将来の研究発展が期待される卓越した研究組織が「学術フロンティア推進拠点」に選定され、内外の研究機関との共同研究に必要な研究施設、研究装置・設備の整備に対し、重点的かつ総合的支援がなされています。
文部科学省
私立大学等学術研究高度化事業サイト
●アジア地域文化研究センターの後継として
アジア地域文化研究センターは、演劇博物館・會津八一記念博物館・早稲田大学文学研究科を拠点として、演劇学・美術史学・考古学の3分野にわたる共同研究を推進する学術フロンティア推進拠点として1998年度から2002年度まで活動してきました。これら3分野の協力体制は過去5年間の共同研究を通じて十二分に培われ、今後も相互協力することになっています。しかしながら、演劇学と美術史学・考古学とは2002年度にそれぞれ個別に21世紀COE事業に申請し、COEプログラムとして採択された結果、研究自体は独自に進めることとなりました。それに伴い学術フロンティア推進拠点をアジア地域文化研究センターから演劇博物館に限定し、日亜・日欧比較演劇総合研究プロジェクトとして再スタートすることになりました。これまでのアジア地域文化研究では、アジア演劇という視点から、日本演劇を中心として中国演劇をも視野にいれた研究を実施し、仏教伝来と演劇の伝播というテーマで美術史学や考古学とも連携した研究を進めてきました。また、中国南西部の民間芸能資料の採集を行うなど、現代中国でもほとんど研究の行われていない分野の開拓も独自に行いました。これらの研究成果を踏まえ、テキスト研究と画像研究という視点から、日本古典演劇をも含めた日亜・日欧の比較演劇的研究というテーマを目指そうというのが本プロジェクトの目的です。
アジア地域文化研究センター(1998-2002)としての活動記録)
●日亜・日欧比較演劇総合研究プロジェクト
日亜・日欧比較演劇総合研究プロジェクトは、1998年度から2002年度に渡って私立大学等学術研究高度化事業の学術フロンティア推進拠点として選定されたアジア地域文化研究センターでの研究成果を踏まえ、早稲田大学演劇博物館を拠点として2003年度から装いを新たに再出発した研究プロジェクトです。
個別のプロジェクトは日本演劇とそれを取り巻く世界の演劇状況という統一テーマの下に統合されます。諸外国の演劇との比較研究により、日本演劇の特殊性はよりいっそう深く理解されますが、それらの本質はテキストと画像という二つの要素によって概念的に把握することが可能となります。演劇博物館は、日本最大数の役者絵だけでなく、演劇関係の資料を多数する研究機関であることを生かしたテキスト研究ならびに資料のデジタル化における「見せ方」の研究などを進めていきます。この手法を日本のみならず世界の演劇にも適応し、特異性や共通性を洗い出し、相互理解を深めることを目指します。
|