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1998-2002年度活動報告
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役者絵研究会
●研究組織 (※所属・資格は2002年4月1日現在)
所属 資格 氏名 本研究における研究分担
代表 早稲田大学演劇博物館 協議員 林 京平 研究の統括
分担 立命館大学
早稲田大学文学部
跡見学園女子大文学部
千葉大学大学院
早稲田大学大学院
演劇博物館
金城学院大学
早稲大学大学院
跡見学園女子大文学部
東京文化財研究所
立命館大学
都立中央図書館
早稲田大学大学院
都立中央図書館
立命館大学大学院
立命館大学大学院
立命館大学大学院
早稲田大学演劇博物館
教授
非常勤講師
教授
博士課程
修士課程
専任職員
教授
修士課程
教授
専任研究員
非常勤講師
館員
博士課程
館員
博士課程
博士課程
博士課程
助手
赤間 亮
今岡謙太郎
岩田秀行
鵜飼伴子
埋忠美沙
大江令子
木村八重子
桑原博行
小池章太郎
児玉竜一
齊藤千恵
中村恵美
二又 淳
松村倫子
金子貴昭
倉橋正恵
松岡 亮
寺田詩麻
研究の統括補助
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証
図像・落款考証

●研究内容(テーマ)
役者絵研究会は演劇博物館が所蔵する坪内逍遥旧蔵コレクションを軸とした浮世絵のうち、歌舞伎俳優の生活や舞台の様子に焦点を絞って描いた約46000点の役者絵を中心に、・それらはいったい何年に制作され、誰がなんという役を演じているところを描いたものなのかを順次考証することおよび・研究活動主旨に記す「資料保存に留意した上での公開を目指す」、すなわち、劣化の少ないデジタル画像での画像取り込みと、それに考証データを付随させる形でデータベースを作成・公開すること以上2点を目的として設立された。学術フロンティア事業にはその当初から参加している。

●研究実施状況の概要
1本年度までの研究概要
データベースは2000年頃から一般公開を実現し、現在も更新されているが、そのほかに、これまでの図録形態による考証成果の発表は以下の通りである。
・『前期上方絵』上下巻 (1995年・演劇博物館刊)
・『後期上方絵』(1997年・演劇博物館刊)
・『古今俳優似顔大全』(1998年・演劇博物館刊)
参加者は、早稲田大学と立命館大学の大学院生に主として分かれ、関東・関西支部としてそれぞれ活動しているが、全体では月1回第2か第3日曜の13時から17時まで、合同の考証会をインターネット上に置いた掲示板を利用して行っている。ここで決定された考証結果は、ある程度件数が蓄積されたところで早稲田大学演劇博物館の錦絵室関係者2〜3名によってデータ入力され、データベース更新が行われる。
現在はほぼ1回につき10枚前後の考証を行い、全体の累積枚数としては、演博で所蔵している初代歌川豊国の絵のうち9割程度(約3500枚)の考証が終了している。
考証結果は、たとえば演劇博物館1階の名品室(歌右衛門室)で通年おこなっている役者絵の展示のための参考資料と して用いられているほか、一般公開も進んでいるので、研究者・役者絵愛好家を中心に、潜在的な需要はかなり大きなものとみられる。
2、考証の概略
考証で重要なのは・絵師の落款・役者の顔と扮装、役名・改印(あらためいん)・極印(きわめのいん)である。 一般的には役者の役名が明記してある場合、大まかに言って
・顔と比較して何代目の誰のいつ頃の役であるかを比定する
・その年代に相当する各種の番付(現在のポスターやプログラムにあたる)で該当する役を探し出す
・年代を現す絵師の落款や、版元の印である改印と比定して年代に差異がないことを確かめるという手順をとる。
しかし年代によっては似顔であることを公にできない出版規制のため役名が記されていない場合もある。また、版元を示す印の捺し方にも年代によってかなりの差異がある。 こうした時に有力な年代推定の鍵となるのが絵師の落款である。落款は同一画者の記したものでも、年次を追って並べるときわめてはっきりとした差異が確認されるため重要である。
すでに当研究会の赤間氏を中心とした立命館大学のグループでは、初代歌川豊国の落款を対象に、描かれた年代の年月までをほぼ特定する落款一覧表を作成しているが、その考証結果は現在も使用されながら、増補・改訂を続けている。また、役者の似顔について判明した研究成果は、かなり多くの部分を『古今俳優似顔大全』にまとめることで集成・活用できている。

●研究成果の発表
研究の成果は演劇博物館学術データベース中の、浮世絵閲覧システムの各図像に関する考証部分に集約されている。



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