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1998-2002年度活動報告
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日本演劇紹介プロジェクト
●研究組織 (※所属・資格は2002年4月1日現在)
所属 資格 氏名 本研究における研究分担
代表 立教大学社会学部 助教授 細井尚子 全体統括
分担 早稲田大学人間科学部
金城学院大学
講師
講師
稲葉明子
マルネジアン・ルクサンドラ
海外での日本演劇紹介ニーズ調査
日本演劇解説書の模索

●研究内容(テーマ)
海外において、日本の演劇が知りたい、展示があればみてみたいというニーズは多い。また日本において、日本の演劇を伝えたい、機会があれば展示をしてみたい、と思う日本人も多い。しかし、日本演劇の専門家が海外で活動をすることは少なく、そうした海外の声を受け止めるのは海外にて海外を扱う人、即ち日本演劇の専門家ではないことが多い。 海外の事柄を研究する者が自らの母国日本の紹介を求められたとき、両者の「知りたい」内容と「知らせたい」内容に隔たりを見出すことがある。というより、このままではすれ違ったままだ、という情景が見えてしまうことがある。海外に紹介されるべきは何か、日本人は何に無自覚か、その両者を追究しない限り、海外展示を行う勇気はおこらない。これを提示し、できれば本当にすれ違いをなくすことのできる展示を考える。

●研究実施状況の概要
 本プロジェクトを成立するにあたり、検討の結果、次ぎの2点を出発点とした。
1)活動の性格:学術交流ではなく、日本演劇の紹介、普及活動に重点を置く。
2)活動の対象:演劇・芸能の研究者・専門家のみならず、学生、一般の人々をも対象にする。
上記2点を踏まえ、最良の効果を得るための方法論を編み出すため、本プロジェクトでは、
1)日本演劇を紹介するためのコンテンツの研究
2)海外でのニーズを把握する活動の2本立てで行なった。
1)日本演劇紹介のコンテンツ・日本の文化的背景、歴史、民俗などを共有しない異文化圏の人々に対し、日本演劇の全体像を 分かりやすく紹介するため、日本演劇における時間的縦軸と空間的横軸から代表的なものを点として選抜、各点についての説明及び点と点の間の関係について説明する。
・説明に用いる日本語は、翻訳による誤差の生じにくい、明確かつ簡潔なものとする。
・普及活動であるため、説明は一学派一個人説ではなく、専門家間で定説として認知されているものを中心とする。
2)海外でのニーズの把握・日本人が日本のものを紹介する時の選択基準と、海外でのニーズは必ずしも一致しない。受け手は、自身の認知基準に即して情報を整理、認識するため、受け手の基準に配慮し、彼らのニーズを把握することが、誤差を少なくする方策の1つである。
上記の調査結果を分析し、本プロジェクトとしては、受け手側の状況に合わせ、次の紹介方法が適切と判断するに至った。
@静態的形式ー展示・パネル展示形式 低予算および展示場の湿度・照明などの設備が不備であっても可能な展示形式。
→前述した点にあたるものを演劇博物館所蔵品、及び写真資料から選抜しパネル化。現地の展 示スペースに合わせ、ミニパッケージを作成する。
・展示パネルのキャプション、説明書などの文字資料。 日本演劇の専門家による日本演劇を知るための演劇学の方法など、理解の助けとなる日本演劇 紹介書の作成。 A動態的形式ー実演およびワークショップ 本来、動態である演劇・芸能の紹介であるため、実演者が実際に現地に赴き、展示と平行して実演、ワークショップを行えれば、より理解がすすむ。しかし、この実現には、学外の助成機関に申請するなど経費面を解決しなければならない。
B講義・講演形式 展示形式は視覚的形式であるが、専門家・研究者による講義・講演により、日本演劇を読み解く方法を伝えることも紹介・普及活動には有効である。これも経費面の解決のため、上記A同様、実現のためには、学外の助成機関からの助成を仰がなければならない。 
今年度は、遼寧省蓋州市民間皮影劇団、河北省楽亭皮影劇団など、あらたにインタビュー調査資料を蓄積するとともに、02年度より進展している、青海省民族学院とともに、同学院を会場とする日本演劇紹介企画構想について、04年度に第1回目の開催実現を目指し、詳細を検討、具体的な活動に着手した。
本プロジェクトは、実際に紹介・普及活動が行なわれ、実践の場での経験により改善を重ねることによって、完成される。

●研究成果の発表
本プロジェクトは、実際に紹介・普及活動が行なわれ、実践の場での経験により改善を重ねることによって、完成される。従って、文字による成果公表は、実際の展示等が行なわれたあとの報告書となる。



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